夜道を歩くときに「なんとなく怖い」と感じたことはありませんか?
人の気配が少なく、街灯が少ない道では、実際に犯罪に巻き込まれるリスクが高まります。警察庁の統計でも、ひったくりや声かけ事案の多くは夜間に発生していると報告されています。つまり「自分は大丈夫」と思っていても、誰もが被害者になる可能性を持っているのです。
とはいえ、防犯対策といっても「護身術を習う」や「高額な防犯グッズを買う」など、大げさに考える必要はありません。日常の中でちょっと意識を変えるだけでも、危険を遠ざけることができます。
この記事では、夜道を歩くときに実践できる防犯の豆知識を8つご紹介します。どれも初心者でも今日から取り入れられるシンプルな工夫ばかりです。
明るい道を選んで歩く
「近道だから」と暗い路地を通りたくなる気持ちは分かります。ですが、夜道で最も大事なのは人目がある場所を歩くことです。
暗い場所は犯人にとって「身を隠しやすい場所」であり、周囲からもあなたの存在が見えにくくなります。犯罪者が狙いやすい環境を自ら選んでしまっては危険が増すばかりです。
多少遠回りになっても、街灯が多くて明るい道や、商店が並ぶ大通りを選びましょう。実際に、防犯の専門家も「夜間は安全なルートを確保することが最大の防犯」と指摘しています。
イヤホンやスマホは控える
夜道を歩くとき、音楽を聴いたりスマホを見ながら歩いていませんか?
これは一番危険な習慣です。
イヤホンをつけていると、後ろからの足音や車の気配に気づきにくくなります。スマホを見ながら歩いていると、周囲への警戒が甘くなるため、犯罪者から「隙のある人」と判断されやすくなります。
実際に「スマホに夢中な女性を狙ったひったくり事件」も全国で多発しています。
夜道を歩くときは、スマホはバッグやポケットにしまい、耳も空けておきましょう。安全を守る第一歩は「周囲に気づける状態を保つこと」です。
ちなみに最近のイヤホンは、周囲の音を拾ってイヤホンから流してくれる外音取り込み機能がついているものもあります。どうしてもイヤホンをしたい人は、せめてこの機能を搭載したイヤホンをつけて防犯対策することをオススメします。
防犯ブザーを持ち歩く
「防犯ブザーは子ども用」というイメージを持つ人も多いですが、実は大人にこそ必要な防犯アイテムです。
犯人は「声をあげられること」を嫌います。
大音量のブザーは、周囲の注目を集めるだけでなく、犯人をひるませる効果があります。さらに、自分自身の「助けを求める声」が出せない状況でも、ブザーが代わりになってくれるのです。
また、目の前で犯罪行為が行われて被害者が助けを求められない状況になっている際も、代わりに防犯ブザーを鳴らすことで周囲に助けを求めることにも役に立ちます。
防犯ブザーは、バッグの奥にしまい込むのではなく、すぐに引ける位置に装着することが大切です。たとえばバッグのファスナー部分やストラップの外側につけると便利です。
最近では、ICカードや電子マネーカードも収容できるパスケース型の防犯ブザーもあります。
姿勢を正して堂々と歩く
実は、歩き方ひとつで狙われにくくなることをご存知でしょうか?
下を向いて歩いたり、猫背で小さく歩いていると「自信がなさそう」「抵抗できなさそう」と思われてしまい、ターゲットにされやすくなります。
逆に、背筋を伸ばし、顔を前に向けて堂々と歩くことで「この人は隙がなさそうだ」と思わせることができます。防犯の世界ではこれを「狙われにくい雰囲気をつくる」と呼びます。
鏡の前で一度、自分の歩き方をチェックしてみると意識が変わります。
バッグの持ち方を工夫する
夜道で注意したい犯罪の一つが「ひったくり」です。特に自転車やバイクに乗った犯人は、一瞬でバッグを奪って逃げます。
その対策としておすすめなのが、バッグを車道側ではなく建物側に持つこと。これだけで犯人にバッグを奪われにくくなります。
リュックを背負う場合も、夜道では前に抱えるのが安心です。少し面倒かもしれませんが、ほんの数分の工夫で被害を未然に防ぐことができます。
防犯アプリを活用する
スマホの普及により、防犯対策も一気に進化しています。最近は、家族と位置情報を共有できるアプリや、緊急時にワンタップで通報できるアプリも登場しています。
たとえば「女性向け防犯アプリ」では、緊急時に大音量の警報音を鳴らしたり、あらかじめ登録した家族に自動で通知が送られる機能があります。アプリストアで「防犯」と検索すれば無料で使えるものも多いので、夜道に不安を感じる方は必ず導入しておきましょう。
ちなみに私はiPhoneにデフォルトで入っている「探す」というアプリに、家族の端末を登録しており、いつでも家族の居場所が分かるようにしています。端末の紛失時はもちろん、誘拐や事故現場の特定に役立つのでオススメです。
不審な気配を感じたら迷わず避難する
「後ろから誰かがついてきている気がする」
そんな直感を覚えたら、気のせいだと無視してはいけません。
振り返って確認するよりも、人通りがある場所に逃げ込むことが重要です。近くにコンビニや交番、カラオケ店やファストフード店などがあれば、ためらわずに入ってしまいましょう。
不安を感じた瞬間に行動できるかどうかで、事件に巻き込まれるか回避できるかが分かれます。
無理をせず送迎やタクシーを利用する
どうしても暗い道を一人で歩くしかない場合もあるでしょう。ですが、「危険を承知で歩く」という選択はしないことです。
家族や友人に送迎を頼む、またはタクシーや配車アプリを利用するのも立派な防犯です。費用はかかりますが、身を守ることを考えれば安い投資です。
特に深夜帯や人気のない地域では、「徒歩より安全な移動手段」を積極的に選ぶことが大切です。
まとめ
夜道の防犯は、特別な力や道具がなくても、意識と習慣で大きく変えられます。
- 明るい道を選ぶ
- イヤホンやスマホを控える
- 防犯ブザーを持つ
- 堂々と歩く
- バッグの持ち方を工夫する
- 防犯アプリを使う
- 不審者を感じたら避難する
- タクシーや送迎を利用する
これらはすべて「今日からできること」です。
自分自身を守る意識を少し持つだけで、夜道は格段に安全になります。
「なんとなく怖い」と思いながら歩くのではなく、「私は対策しているから大丈夫」と自信を持って歩けるようになる。そのためにも、ここで紹介した豆知識をぜひ実践してみてください!


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